ゴールドウインとバイオベンチャーのスパイバーが、研究開発してきた人工構造たんぱく質素材を使ったアウトドアジャケット「ムーンパーカ」を12月に発売する。先月開かれた発表会見では、多くのメディアが押し寄せ関心の高さを示した。なぜ注目を集めるのか。改めてポイントをまとめた。
(杉江潤平)
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石油に依存しない
注目されたのは、その表地に使う素材が、主原料を石油などの化石資源に依存しない、微生物由来の構造たんぱく質(ブリュード・プロテイン=BP)を使っているからだ。
スパイバーは細胞骨格やクモの糸のように構造的な役割を果たす「構造たんぱく質」を、微生物による発酵プロセスで生成することができ、それを紡糸・加工する独自技術を持つ。そのためBPは、枯渇資源に頼らず、サステイナブル(持続可能性)な次世代繊維として、素材メーカーを含めて関心を集めている。