ジム、秋からレディスウェアを販売 アート性の高いデザインで個性を

2023/03/06 06:27 更新


 メンズニットのジムは23年秋冬物で、初のレディスウェア「ア・プラクティスド・ハンド」を立ち上げる。DtoC(メーカー直販)ブランドとして運営し、消費者へ直接販売できる新業態に位置付ける。

 長年、メンズ向けを主力にしてきたが、創業地の東京・原宿の歴史やファッション文化といったコンテクスト(文脈)にフォーカスしたユニセックスブランド「ジム・コンテクスト」を22年秋冬に開始した。従来のニットブランドにはない攻めたデザインが注目され、高感度なセレクトショップを中心に販売を広げてきた。

 そうした中で、レディス主力のショップとの取引も増え始めた。ジム・コンテクストの責任者の八木原雄介常務は「ジム・コンテクストでは新たな販路を開けている。新しい施策として本格的なレディス向けブランドもやってみたかった」と話す。

 新ブランドは、20~40代の個性的なファッションを好む女性へ向ける。「熟練」「手慣れた」を意味するブランド名通り、海外の有名ブランドで経験を積んだデザイナーによるアート性の高いデザインを、ジムの生産背景で形にしたユニークなニットを打ち出す。

 販路は主に公式ECと期間限定店で、卸はしない計画。DtoCとすることで原価率を高く設定し、コストパフォーマンスに優れた商品を提供する狙いがある。

 最初のコレクションでは、アーガイルや日本のきもの柄など伝統的な色柄をポップにデザインしたアイテムを企画した。東北の民芸として知られる〝ボロ〟に着想し、様々な柄の編み地を職人の手によってパッチワーク風に継ぎ合わせたニットなど手が込んでいる。

東北の〝ボロ〟に着想したセーター

 3月3~5日には渋谷の複合施設「ジンナンハウス」で消費者も入場できる受注会を開いた。会場はバービー人形をイメージしたポップで〝映える〟内装にした。ブランドの今後について八木原常務は、「まずはしっかりとブランドのファンを作っていく。将来的には海外への拡販も実現させたい」と話す。

お披露目会はポップな雰囲気に仕上げた
〝映える〟フォトスポットも登場


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