仏百貨店ギャラリー・ラファイエットパリ本店が、全館のショッピング空間をオーロラの輝きで包んでいる。これは韓国人女性アーティスト、キムスージャによるクーポール(丸天井)そのものを題材にしたインスタレーション「呼吸する/トゥー・ブリーズ」の演出によるもの。
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クーポールは1912年に完工したアール・ヌーヴォーを象徴する歴史的建造物で、ステンドグラスとガラスで構成されている。21年に大改装を終了した。キムスージャは天井のドームに回折格子フィルム(プリズムシート)をまとわせるように張り巡らせ、天然光で売り場に虹色を投影するプロジェクトを考案。21年に話題となった故クリストの「包まれた凱旋門」を実現させたチームが制作現場を担当した。
作品は店内だけでなく、屋上テラスからドームの外観を見られる。また、これを機に初めて一般開放されたドームの内部からも瞑想(めいそう)的な効果音とともに無料で鑑賞できる。6~12歳を対象にしたガラスや色を学ぶ各種アトリエも開かれている(無料)。6月30日まで。
(パリ=松井孝予通信員)