5年くらい前からだろうか、私たちがお金の呪いに取りつかれてしまったのは。いわゆる「2000万円問題」である。金融庁が老後資金として2000万円必要になるという報告書を出して以来、老後の不安と言えば、お金の心配を意味するようになった。新NISAが始まった今年、投資を始める人が急速に増えているが、老後の不安が解消される気配はない。それどころか、当時2000万円必要だと言われていた老後資金は、いまではインフレの影響で4000万円とも言われている。では、みんなが4000万円ためれば老後は安泰なのかというと、そうではない。みんながお金をためればためるほど、必要な金額は蜃気楼(しんきろう)のように逃げていく。
(お金の向こう研究所代表 田内学)
老後資金問題の元凶
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