藤栄 マイクロプラの排出を抑える洗濯ネットを開発

2022/07/14 10:59 更新


会見はカフェ併設のコインランドリー旗艦店で行われた

 家具・家庭用品総合商社の藤栄は、ランドリーライフサポートブランド「フレディレック」で、マイクロプラスチックの洗濯排水への流出を抑える洗濯ネット「ランドリーネットマイクロ」を開発した。7月15日から消費者向けに、全国のフレディレックを扱う店舗、公式オンラインストア、旗艦店であるフレディレック・ウォッシュサロン・トーキョーで販売する。

 平滑で非常に緻密(ちみつ)な網目を持つ生地がフィルターとなり、中に入れた衣服から発生するマイクロプラの洗濯排水への流出を85%低減する。同時に、ネットを使うことで、マイクロプラ発生の原因ともなる衣服への摩擦・摩耗を減らし、衣服の傷みも抑えられる。

 マイクロプラ抑制効果は、排出量の試験方法を作成した伊藤忠ファッションシステム(ifs)のマイクロプラ削減プロジェクト「レス・マイクロプラスチック」が測定に協力し、科学的に証明した。また、マイクロプラ問題に詳しい京都大学の田中周平准教授の実験でも、同製品と同じ生地のネットを使うと、ネットなしに比べてフリースのアウターの洗濯で最大88%減ったことが確認された。

 生地には繊維径0.025ミリメートルの極細ナイロンを100%使う。「細さと強度を両立するためにナイロンを選んだ」といい、これまで海洋調査などに使われた実績のある品番という。

 フレディレックは、08年にドイツ・ベルリンで発祥した、明るく清潔なランドリーシーンを目指すブランドだ。コインランドリー運営や、ランドリーグッズの企画生産販売をする。10年には藤栄が日本でのライセンシーとなり、企画や開発を担っている。

 今年からは、「人と服、海、空気を守る」目標を掲げ、製品を開発している。第1弾として肌への刺激が少なく海中での生分解性を持つ洗濯洗剤を販売しており、ランドリーネットマイクロは第2弾となる。「プラスチックだから悪なのではなく、海に流れてしまうなどライフサイクルをコントロールできていないことが問題」と捉え、同製品の開発に至った。また、同社は今回の取り組みを機に、レス・マイクロプラスチックの6社目の参画企業となった。

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