【パリ=松井孝予通信員】仏エコロジー移行・地域結束省は、25年からフランスで販売されるすべてのテキスタイル製品に義務付ける環境負荷表示「エコスコール」の算出方法について、ファッション産業関係者を集め説明会を開いた。
エコスコールは、温室効果ガス排出量、生物多様性への侵害、水・その他自然資源の使用量、周辺への誘発汚染の4項目から算出したトータルポイントを0~無限で表示する。同省は環境エネルギー管理庁と共同で、エコスコールを算出するオープンソースのツール「エコバリーズ」を開発した。パイロット版はオンラインプラットフォームで無料で利用できる。
フランス式メソッドによるエコスコールは、欧州連合が導入するテキスタイル製品と靴を対象にした環境フットプリントカテゴリー規則をよりどころに製品の耐久性、素材、修繕の可否などを項目にしたライフサイクル、トレーサビリティー(履歴管理)をスコアに反映させることを特徴とし、ファストファッションの抑制につなげる。Tシャツの場合、オーガニックコットンの仏製であれば382ポイント、合繊のアジア製なら1252ポイントとなる。仏ファッション産業界からは、エコバリーズによる算出で上質素材の仏製品がアジア製よりスコアが悪いケースもあるとし、科学的根拠に基づいた新たなメソッドを求める声が上がっている。