猛暑の中、冷めたセール フランスで一斉スタート

2019/06/28 06:28 更新


 記録的な猛暑のなか、フランス全土で26日、夏のセールが一斉にスタートした。しかし暑さにも増して国内で相次いだ出来事に消費マインドは冷え切ったままだ。

 昨年11月から32週続いている「黄色いベスト」の週末デモ行進やノートルダム寺院の火災、季節外れの低温と長雨で4月の衣料品購買額は前年同期比7%減(仏モード研究所調べ)と低迷した。婦人服製造販売業者たちは揃って、「経験したことのない異常なシーズン」と不景気を嘆く。

 こうした状況の打開策がプレセールだ。会員カード所持者など限定した消費者を対象に、赤字を計上しなければ、国が定める正式なセール期間外に開催できる。このプレセールさえも、昨年末の「黄色いベスト」の暴動を機に、前倒しの傾向にある。ある高級百貨店は5月中旬から最高40%オフのプレセールを実施した。

 公式セール前にすでにお目当ての買い物を終わらせている消費者の購買を再度喚起するのは至難の業。BHV(ベーアッシュヴェー)マレ店では初日に限り、購入品のレシートで最大1000ユーロ までキャッシュバックする抽選会を実施。購入前でなく、その後に長蛇の列ができるという皮肉な結果となったが、一番活気を見せたセールだった。

抽選会で行列ができたBHVマレ店

(パリ=松井孝予通信員)



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