ファーストリテイリングは「有明プロジェクト」と名づけた働き方改革に乗り出した。核になるのは、東京有明の大型倉庫の6階に設置した、「ユニクロ」の本社社員が集結して1フロアで働く新オフィス「ユニクロ・シティ・トーキョー」だ。
倉庫の最上階のオフィススペースは1万6500平方メートルと広大。ユニクロのブランドアンバサダーや店舗の写真を飾ったエントランスを抜けると、全長190メートルの幅広の廊下がオフィスを貫いている。「ストリート」と名づけられており、ただ通行するだけでなく、幅広の歩きやすい作りを生かし、往来する社員同士が歩きながらコミュニケーションも取りやすいよう、配慮して設計された。
エントランス
ストリート
六本木オフィスから移ったユニクロの社員1000人が働くオフィス部分だけでも面積は5600㎡を超える。天井までの高さが4.5㍍あるゆったりした空間で、六本木とは違う働き方で仕事をしているという。
オフィスは、これまでとは働き方を変えるための工夫をほどこした
広々とした導線とオフィスだけではなく、新オフィスには最大2万5000冊を所蔵できるライブラリー機能を備えた「リーディングルーム」、ビジュアルプレゼンテーションにも使える「アンサーラボ」やカフェがある。
リーディングルーム。柳井会長が選んだ書籍もある
アンサーラボ
トランジット・ジェネラル・オフィスがプロデュースしたカフェ
開発に携わったのはユニクロのグローバルクリエイティブ統括を担当するジョン・C・ジェイ氏。新事務所の狙いについて「良いモノを作り、お客様に提供するなら、従業員の仕事を尊重できる、整った空間が必要と考えた」と話す。
2月から業務を開始した新オフィスは「シティ」の名が示すとおり、従業員が働く「街」のようなつくりとなっている。ここを起点にこれから、ユニクロは何を目指すのか。21日付の繊研新聞で詳しく報道する。