FB業界の19年春新卒採用 大手の面接解禁

2018/06/01 06:30 更新


 19年春新卒者の採用活動は、1日に経団連加盟企業など大手の面接・選考活動が解禁となることを受け、ファッションビジネス(FB)業界でも第2段階に入る。大手就職情報サイトによると、内々定保有者はマイナビ調べでは4月末で3人に1人、リクナビ調べで5月1日に4割以上で、企業の動きが昨年より早期化。大手解禁で内定率が一気に上がる6月も、FB企業の大半は採用を続ける見込みで、第2、第3弾の採用活動を行って計画数の確保を目指す。

(河邑陽子)

 来春新卒者の採用状況は、マイナビが登録会員に行ったウェブ調査では、学生の内々定保持率は4月末日で33.2%で、前年同月より約10ポイント上昇。昨年は5月末で53%弱だったため、前年並みに伸びれば今年は5月末で6割を超える勢いだ。

 リクルートキャリアの発表でも就職内定率は、説明会の解禁から1カ月後の4月1日で20.5%、5月1日には42.7%に上昇。5月は前年同月より7.6ポイント高かった。既に3、4社から内々定を得ている学生もおり、昨年より早い時期から内々定を出す企業が増えている。

 今年は企業が選考に入る時期が全体に前倒しになっており、学生に人気のLINEや楽天ほか、外資系やIT系など、3月の大手の説明会解禁前に内定を出す企業が増加。FB業界でも2月までの短期インターンシップ(就業体験)が一般化し、早期選考を行い、内々定を2月までに出した企業が増えている。

 昨年から早期化傾向の見られた他業界と比べ、出遅れていたFB業界でも、今年は3月1日の解禁と同時に多くの企業が個別説明会の予約を開始。中旬までに総合職や販売職の説明会を開き、3月中に選考を始め、4月中に内々定を出した企業が目立つ。ただし個別説明会への学生エントリー数は減っており、大半の企業が採用を継続中だ。

 今後は1日の解禁と同時に最終面接を行う大手の結果を待ち、FB各社は内々定の保留や辞退の状況を見ながら、第2弾の採用活動に入る。技術職や専門職の採用を本格的に開始し、並行して採用難の続く販売職の確保に注力する企業が多い。

 昨年は7月初めで内定率は約8割に上り、個別企業が大勢の志望者を集めることが難しい時期なため、マイナビとMORIパーソネル・クリエイツは25日、共催する「FB就職セミナー」(サイトは「マイナビ2019」)の第2弾を東京で開催する。新たに販売職の採用計画を増やした企業など15社が参加予定。採用が早期化する中、FB業界では今年も夏や秋までの採用の長期化が懸念される。

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