人工皮革や合成皮革の一種
70年代フォークロアで注目
レディスの今秋冬物は、70年代フォークロアがファッショントレンドとして強まり、スエードやフェイクスエードが注目されている。特にフェイクスエードはベストやガウチョパンツ、スカート、ジャケット、セットアップなどで広がりそうだ。
スエードとはヤギや子牛の皮の裏側を摩擦で毛羽立たせたなめし革のこと。このスエードに似せたのがフェイクスエードで、人工皮革や合成皮革の一種。作り方は人工皮革の場合、極細の合成繊維(ポリエステルやアクリル)の不織布や織り・編み物に、特殊なポリウレタンを含浸させ、本革調の風合いの出る層を作り、その表面を起毛する。
極細繊維を使うことで、柔らかで繊細なタッチになるが、繊維が細いほど染まりにくくなる。日本のメーカーは極細繊維を使いながらも、高い染色技術で鮮やかな色、深い色が出すことで定評がある。特に東レの「エクセーヌ」が有名だ。
特徴は、天然スエードに比べて軽く、薄くても耐久性があり、安価。プリーツやフリンジ、箔(はく)プリント、パンチングなどの二次加工がしやすい。雨染みや色移りが少ない、シワになりにくい、通常のドライクリーニングで洗濯できるなど手入れが簡単であることだ。
主な用途はファッション、家具、自動車。ファッションでは服、シューズ、バッグなどに使われている。