第1回のクリエイターに選ばれたラドロフさん（左から3人目）と審査委員ら
【パリ＝松井孝予通信員】フォンダシオン・アズディン・アライア（FAA）と、仏高級スキンケアメゾンのオルヴェーダ（米コティ傘下）が、若いクリエイターの育成と支援のためにパートナーシップを結んだ。アライアさんが生前、同メゾン共同創業者、スー・Y・ナビ氏と親交があったことがきっかけで実現した。
独学の人、アライアさんが絶え間なく築いてきたクリエイションと職人技を次の世代に継承することを目的とする。FAAのカルラ・ソッツァーニ会長、オリビエ・サイヤールディレクター、パーソンズ・パリ校のマルコ・ペコラリディレクターら審査員が半年ごとにクリエイターを選出。受賞者はFAAのプロジェクト参加、アーカイブの研究、パーソンズ・パリ校での研修をミッションとし、半年間のプログラム終了後、FAAとオルヴェーダの世界中のサロンで展示するミニコレクションを発表する。
第1回は、生まれ育った南アフリカを着想源に19年に自身のブランドを立ち上げたルーク・ラドロフさんが受賞した。「ファッション史で偉大なクチュリエでありコレクターだったアライア氏のアーカイブの傍らで、自分のキャリアで最も重要な時を与えられた」との受賞の言葉が示す通り、唯一無二の技術・文化遺産を手本にファッションの後継者を育てる独特な賞だ。
