インポート卸のエディットアンドコー(東京、柴谷修代表)が6月にオープンした直営店が好調だ。最寄り駅から遠く、人の往来が少ない場所だが、卸売りしているブランドや自社ECで販売している雑貨のファンの来店が想定以上に多く、オープン以来月商が200万円ペースで推移しているという。
(柏木均之)
エディットアンドコーはレザーウェアの「チンクアンタ」などイタリアのインポートブランドをセレクトショップや百貨店に卸売りしている。コロナ禍の時期に国産のオリジナルウェアや雑貨、アクセサリーも販売し始めた。
モロッコのかごバッグや食器、トゥアレグ族のシルバーアクセサリーを20年から自社ECで販売している。21年には欧州ミリタリーのデザインを取り入れたオリジナルのパンツブランド「タンジェント」もスタートした。
その後、メンズ重衣料の「ラファーボラ」の卸売りを開始した際、デザイナーの平剛氏から「顧客とじっくり向き合えるオーダーサロンを開きたい」との思いを聞かされた。そこで事務所兼ショールームを直営店「ジ・エディット・ストア」として活用し、平氏が店長として店頭に立つことになった。
西麻布の閑静な住宅街にあるため、あまり多くの来店客は想定していなかったが、ほどなくしてショールーム前に並べた雑貨を目に留めた通行人や、オープンをECの告知で知った雑貨やアクセサリーの顧客が来店するようになった。
国内の有力セレクトショップや海外に卸売りしているタンジェントを求めて、国内の遠方や海外からファンが来店することも増えている。今後はラファーボラやチンクアンタのオーダー販売も本格化する。
柴谷代表は「卸売りで培った商品選びのセンスを生かしたこだわりの品揃えで、服好きの人がわざわざ来たくなるような店にしていきたい」と話す。