越境ECを支援するイーベイ・ジャパン(東京、岡田雅之社長)は23年の越境EC流通総額が前年比2ケタ増となり好調だ。主に中古品のバッグ、時計、スニーカー、トレーディングカードなどを米イーベイを通じて販売しているが、日本の商品の品質の良さ、円安による割安感、配送レベルの高さなどで流通金額を伸ばしている。23年後半には配送方法の向上など、さらなる拡大に向けて環境を整えている。
23年の流通額では「レディスアパレル&バッグ、ブランド小物」分野が7%増で22年に続き1位となった。堅調なウィメンズバッグ、時計に加え、メンズバッグが24%増、ファインジュエリーは38%増と大きく成長した。2位以降は「時計・パーツ&アクセサリー」「アニメアート&キャラクターグッズ」「カメラレンズ&フィルター」「トレーディングカード」と続く。
米国市場の景気は良いとはいえないが、「物を大切にする日本人の国民性」から良品が多く、コストパフォーマンスの良さが評価されている。円安による割安感も好調の要因となった。
同社は24年も越境ECの販売支援を強化する。昨年12月にはアジア初のイーベイ真贋鑑定・配送サービスセンターを都内に開設した。当面は500ドル以上のハンドバッグを対象に、セラー(販売者)数社に絞ってスタートするが、対象アイテムも含めて拡大する方針だ。また昨年11月にはオレンジ・コネックス社と組んで公式物流サービス「イーベイ・スピードパック」の提供を開始。国内の集荷から米国主要都市の配達先まで1~3営業日で配送され、費用も大手クーリエ(国際宅配便)に比べ15~30%安く抑えられるという。
岡田社長は「米国だけでなく、欧州やオーストラリアでも日本の商材を求める動きがある。商材も商品量も拡大するチャンスで、支援を強化する」という。