「デュッべル」は韓国のメンズ、レディス向けアパレルブランドだ。配色や異素材使いで遊び心を加えたカジュアルなアイテムを得意とする。24年春夏には素材から縫製まで韓国で生産を一貫するライン「カラフルソウル」を始めた。国外での販売実績はなく、世界進出を視野にまずは日本での販路開拓を進める。
(関麻生衣)
ダンフィールド・グループ(ソウル)が21年に立ち上げた。同社は93年設立で、韓国でライセンスブランド「クロコダイル」メンズや「ピエール・カルダン」、オリジナルブランド「ダンフィールドレディ」などを運営する。デュッベルは現在、ECで販売し、常設店はない。
ブランド名は「ダブル」の意味を持つスウェーデン語から付けた。「服を着ることは自己表現の一つ。ファッションを楽しんでほしい」(ソン・ジェヨン代表取締役)との思いを込める。
例えば、カーディガンは裾の一部分に重ね着したように鮮やかな色の生地を重ね、袖口にも部分的に色を加える。色使いで個性を表し、白や黒、グレーといったシンプルな色をベースに、明度の高いオレンジやブルー、グリーン、イエローなどでアクセントを加えた服が目立つ。中心価格帯は20万~30万ウォン。
韓国ファッション産業協会(KFIA)が今春に始めた新事業〝オール・イン・コリア〟(AIK)にも参加。ソウルの様々なスポットを刺繍やプリントでデザインに落とし込んだ服を作っている。AIKはK(韓国の)素材、Kデザインの製品を国内で作る中小企業を支援する。
カラフルソウルの24年春夏向けでは、ソウルのランドマーク、Nソウルタワーの写真をプリントしたトレーナーがキャッチーだ。見る角度で色や絵が変わり、アニメーションのように動いたり、立体に見えるレンチキュラーの製法を刺繍に取り入れた。文字の刺繍もすべて韓国の熟練職人が行う。
日本ではセレクトショップや百貨店での販売を目指す。8月にはソウルで開かれたKファッションの展示会「トレンドフェア」、9月には合同展「トラノイ・トーキョー」に出展した。「日本企業からの関心が高かった」と手応えをつかんでいる。引き続き世界のバイヤーに訴求するため、来年3月にパリで開催される「トラノイ」に出る意向だ。