ドン・キホーテはメンズPB「レストレーション」で、開発方針を切り替えて成果を出しつつある。9月に発売した「色褪(あ)せ知らずの黒スキニーパンツ」といったヒット商品を生み出している。価格はもちろん、明確な機能性を付加し、着心地を追求、コーディネートの一部になる商品を開発、差別化につなげる。
(田村光龍)
同PBは16年に本格化した。当初はアメカジをトータルで打ち出すことを志向してきたが、漠然としていたコンセプトを、〝着心地に納得いただけるアイテムをどこよりも安く提案する、革新的なタウンウェア〟に定め直し、「マスにはまる掘り下げた一品をどう作るか」という開発を進めるようにした。
今秋に打ち出した色褪せ知らずの黒スキニーパンツは、研究してきたストレッチ性と膝が抜けない強度を両立させるはき心地に80回洗っても色落ちしない高機能を加えたもので、1990円で販売できる生産背景を整えた。試着室のない売り場で扱いやすいように、XS~3Lのサイズに「ロング」と「ジャスト」の2種類のレングスを用意した。重点商品としてレディスも販売する。これらにより店舗の権限が強いグループにあって400店で扱われ、立ち上がりも好調で従来の人気商品の3倍にあたる規模の追加を決めた。
このほかにアイロンのいらないストレッチシャツ(1990円)などもある。単品ごとの開発に力を注いでいることから、アパレルはかつての半分の40アイテム程度に絞られているが、全体の「規模は変わっていない」としており、効率も高まっている。
スポーツ関連のPB「アクティブギア」でも裏毛をドライ素材として汗のべとつきを抑える秋冬物スウェットなどを用意しており、潜在ニーズを探る開発が続いている。
同社ではインナーなどの「情熱価格」を含めアパレルのPB比率は40%になっている。バラエティーとその楽しさを重視する売り場にあって、これ以上、比率を高める構えではないが、差別化商材として育成を続けることにしている。