メーカーや小売りの過剰在庫を買い取り、アパレルや家具を廉価で販売する小売りのドゥーラック(京都府長岡京市、今堀陽次社長)は10月22日、西友長岡店内に子供服のアウトレット店をオープンした。今堀社長が代表を務める障害者就労継続支援事業のパララックス(京都府宇治市)と大手子供服メーカーとの3社協業による初の店舗で、障害者も販売にあたる。環境配慮の二次流通と、福祉・雇用という複数の社会課題の解決につなげる。
(永松浩介)
同社の店舗は関西を中心に現在12店舗。コロナ禍の2年で店舗規模を縮小させたが、市場が落ち着いてきたこともあり10月には西友の店舗を含め5店をオープンする。出店を増やしたイズミヤは、集中レジを共有できるため無人店舗だ。
西友の店舗は、商品供給する子供服メーカーと、小売りを運営するドゥーラック、店頭及びバックオフィスの人員を供給する障害者就労支援事業のパララックスの3社協業。これまでも仕入れ商品の検品やウェブ用の写真加工や採寸などのバックオフィス業務を障害者に委ねてきたが、今回は販売も部分的に担ってもらう。「販売の向き不向きは健常者も同じ。店頭に立つ前の実習も丁寧に行う」(今堀社長)。
昨年10月に立ち上げたパララックスが運営するのは「就労継続支援A、B多機能型」の事業所。雇用契約を結ぶ「A型」と結ばない「B型」の複合で、前者は最低賃金以上の給与を支払い、後者は外部委託費用を支払う形態。B型の障害者はA型を目指し、A型は一般就労へのステップアップがゴールだ。今堀社長は、「これまでA型の施設も運営してきたが、B型の障害者にも就労機会を提供したいと思った」とし、「この取り組みに賛同してくれるメーカーがもっと増えればいい」と話している。