物流の市場規模、海外低迷し減少 17年度は回復へ

2017/05/01 05:40 更新


 矢野経済研究所の調査によると、15年度の物流17業種総市場規模は前年比0.9%減の20兆4110億円となった。国内の物流市場全体は比較的堅調だが、ここ数年の海外需要がやや低迷していることが影響した。16年度はこの流れが続くと見て、4%減の19兆5970億円を見込む。

 国内は消費税増税の反動減から徐々に回復している。ネット販売を中心とした通販、医薬品・医療機器分野、コンビニエンスストアや食品スーパーチェーンの温度管理の必要な低温食品分野の物流サービスが好調だった。

 16年度は、国内物流市場全体はこれらの分野を中心に伸びているが、海外需要は中国や東南アジアの経済成長の鈍化や欧州経済の低迷の長期化、海運を始めとする運賃市況の低迷などの影響により、総市場規模は前年割れを見込む。

 17年度以降は、国内は東京五輪・パラリンピックに向けた内需の拡大により引き続き堅調に推移すると予測。海外は需要動向が見通しづらいが、世界情勢や各国の経済状況などを考慮し、17年度の市場規模は20兆1755億円、18年度は20兆8475億円と緩やかな拡大基調を予測している。


■物流17業種の市場調査 海運、システム物流、宅配便、普通倉庫など17業種の国内有力物流事業者が対象



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