コックス(東京)は、20~30代のカップル向けブランド「ヴァンスエクスチェンジ」(VEX)を立て直す。2日、新コンセプトに刷新した派生業態「ヴァンスシェアスタイル」(VSS)の1号店をイオンモール鈴鹿1階に開設した。今までよりも幅広い客層を狙うため、内装を明るくしたほか、雑貨を充実。商品の価格帯やテイストの幅も広げた。既存顧客に加え、新規客も取り込み増収を目指す。
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ヴァンス事業は約1年前から苦戦が続いていた。上期(17年3~8月)の決算説明会で吉竹英典社長は、「メンズの売り上げが厳しい。この間はレディス拡大・メンズ縮小を試みてきたが、平均売り場面積99~132平方メートルでは、効果が表れにくかった」と述べた。
今春から組織とMDの見直しに着手した。営業責任者やMDマネジャーを新たに配置したほか、客層を広げるため、コンセプトを再設定。15年春にスタートしたVSSは、「トレンド、ベーシックラインを軸に、ほど良くエッジの利いたライフスタイルを提案するブランド」へと改める。これまでは10~20代の若い客が多かったが、刷新後は20~30代まで取り込みたい考えだ。
新店の売り場面積は約142平方メートル。商品構成はレディスを65%まで高め、メンズを35%にした。流動客の入店を促すため、服飾雑貨比率も増やし、15~20%にした。衣料品は価格とテイストを2軸に分け、幅広い客層に訴求できるようにした。例えば、シンプルな無地のカットソーやニット(2800円)では手頃さを出す一方、ファー付きモッズコート(2万5000円)などは上質さをアピールする。
今回の出店でVEX16店、VSS12店となった。今後はVEXをVSSに業態変更するなど、新コンセプトのVSSを増やしていく。売り場面積142~149平方メートルを基準に、郊外モールだけでなく、大都市圏の駅ビルやSCなどへの出店も検討する。