新型コロナウイルスの第1波を比較的早期に抑え込み、4月下旬から各種制限を段階的に緩和してきたドイツ。今までのところ地域を越えた感染拡大は起きていないが、経済への爪痕は深い。国際通貨基金は、ドイツの今年の経済成長率を7.8%減と予測。独政府は6月に、消費税の19%から16%への引き下げなど総額1300億ユーロ規模の景気対策を決めたが、消費促進効果は車など高額品に限定される。失業者も増加傾向で、小売業の苦戦は続く。
(ライター・吉田恵子)
6月中旬には国内唯一の百貨店グループ、ガレリア・カールシュタット・カウフホーフが、全国172店の約3分の1に当る62店の閉鎖計画を発表した。大手アパレルチェーン「エスプリ」の独子会社も、再生型倒産手続きを申請し、多くの店舗の閉店を決定。独商業連合会は、秋以降に約5万件の倒産を予測する。特にアパレルは厳しい状況という。