中企庁と公取委 手形サイトの60日以内への短縮を要請 繊維含む約6000事業者に

2023/02/28 06:27 更新


 中小企業庁と公正取引委員会は、下請け代金に関する約束手形などの支払いサイトを60日以内に短縮することを求める要請を繊維関連企業を含む約6000の親事業者に行った。昨年6月に実施した下請け事業者との取引に関する調査で、手形などのサイトが60日を超えると回答した事業者に対し、中企庁と公取委の連名で要請文を出した。

 中企庁は「長期の手形サイトによる下請け事業者の資金繰りの負担を減らし、下請け代金の支払いの適正化を図る」(事業環境部取引課)ため、21年3月31日に公取委と連名で手形通達を見直し、「おおむね3年以内(24年内)をめどに、可能な限り速やかに手形などのサイトを60日以内とする」ことなどを繊維を含む事業者団体約1400団体に要請した。

 また、24年をめどに、「サイトが60日を超える手形などを下請法の割り引き困難な手形に該当する恐れがあるもの」として指導の対象にすることを前提とした下請法の見直しを検討している。既に、サイトが繊維業では90日、その他の業種は120日を超えた場合、「下請法違反の恐れがある」と指導している。今回の要請文にはこうした内容も記載した。

 政府は産業界と金融業界に対し、26年の約束手形の利用廃止を求めている。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事