チャールズ&キース 認知度高まり業績伸びる

2020/01/30 06:30 更新


 シンガポール発の婦人靴・バッグ「チャールズ&キース」を運営するチャールズ&キース・ジャパンが、直営店展開を始めてから2年目に入ってブランド認知を高めて業績を大きく伸ばしている。17年4月に始めたECは昨年、前年比60%増で推移し、都市部を中心に出店する直営店5店も予算を達成。20年の売り上げは15億円を超える見通しとなった。

(須田渉美)

 強みは、「インポートブランドらしい感性を備えたデザイン、クオリティーと価格のバランスが取れていること」(青木ゼネラルマネージャー)。合成皮革を使って、シューズの中心価格は6000円台~7000円台。バッグは6000円台~1万円ほど。旬のトレンドを反映し、形のきれいなハイヒールも手頃な価格で楽しめることが、若い世代を中心としたファッションへの消費意欲の高い客層に支持されている。昨年3月に出した東急プラザ表参道店は、ターゲット層に認知してもらうアクセスポイントになった。現状の「インスタグラム」のフォロワー数は約8万2000人。自社ECの登録者数は約5万6000人。

 特に昨年12月はECで「過去最高の実績」を上げ、今月はさらに上回る勢い。実店舗も好調で、既存店の1月の売り上げは、渋谷スペイン坂店が前年比60%増、名古屋栄店とダイバーシティ東京プラザ店が20%増で推移する。90%近くが国内在住者の購入だ。手頃な価格帯なので、セール期でも新商品が売れる。ECと実店舗の売り上げ比率は半々となり、ECの中心購入層は20代前半。実店舗は20代、30代に加え、40代まで利用している。

 「インポートらしい感性」という点で、現状の国内市場には、同じ価格帯で競合する業態やブランドが少ない。ただ、郊外SCなどファミリー層に受ける製品ではなく、「都市型の生活者が利用する立地に限定して出店している」ことも成功要因の一つ。店内のディスプレーにこだわり、「セール期以外は、現行モデルの値引きはしない」など、ブランド価値を落とさない運営を心がけている。

 当面の課題は、実店舗の売り上げを安定させること。昨年は月によって波があったため、「2年目はいかに落とさずに運営できるか、組織を大事にして取り組みたい」。出店に関しては「新宿、銀座、横浜など関東圏を中心に」考えているが、「拙速ではなく、認知度を高められる立地に出していきたい」。今夏以降に出す可能性がある。ECの売り上げ比率で12%を占める大阪地区など関西圏は、東京でブランドイメージを確立できてからになりそうだ。

20年春夏の新作。スポーティーな素材や配色など目を引くデザインを気軽に楽しめることが受けている


この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事