「チェザレ・アットリーニ」が日本進出 ジャパン社設立、都内に直営路面店を計画

2024/04/16 07:58 更新


90年代には「クラシコイタリア」ブームをけん引した

 ナポリのハンドメイドテーラーリング「チェザレ・アットリーニ」がいよいよ日本に本格進出する。今春、チェザレ・アットリーニジャパンを設立、2年以内に都内に直営店をオープンする計画だ。

 同ブランドは、フルハンドメイドのテーラードファクトリーとして90年代の「クラシコイタリア」ブームをけん引した。ラグジュアリー市場のテーラードブランドとしては「ブリオーニ」と並んで知名度がある。しかし、ブリオーニがケリンググループ傘下に入って拡大路線を進めたのに対し、チェザレ・アットリーニは独立資本として独自路線を貫いてきた。

 現在は世界で直営の5店とフランチャイズ1店を運営し、欧州市場の地固めと米国市場の拡大を進めてきた。ミラノとモンテカルロの直営店のほか、ニューヨークの五番街とマイアミの直営店を開き、ニューヨークのバーグドルフグッドマンにはインショップを開設した。今年9月にはロンドンにも直営路面店をオープンする予定。

 欧米の直営店運営がひと段落したところで日本市場への投資を決定、ジャパン社を設立して東京に直営路面店をオープンする計画だ。

 ジャパン社の社長には、二村仁氏が就任した。二村氏は、バスストップやオンワードラグジュアリーグループなどで要職を歴任。名古屋の専門店ボルスでチェザレ・アットリーニを30年近く扱ってきた。こうした深い信頼関係からジャパン社のかじ取りを任された。

(小笠原拓郎)

市場に直接伝えたい

マッシミリアーノ・アットリーニ社長

 ラグジュアリーの大きなブランドと会社の規模は雲泥の差だが、小さな会社ながらハンドメイドのクオリティーを守り続けてきた。そのクオリティーを理解してくれる人たちがいるからこそ、欧州、米国でも市場を広げてきた。東京にも裕福で人生を楽しみたいという方たちはいるし、米国と同じくらいの市場はあるとみている。残念ながら生産規模を増やそうと思っていないので、直営店を軸に自分たちのアイデアをよりダイレクトに市場へ伝えていきたい。

希少性に価値

二村仁ジャパン社社長

 ラグジュアリーとはクオリティーと希少性だと思っています。しかし、今のブランドビジネスには希少性が無くなってきています。本来のラグジュアリーを求めるお客様は、希少性のある物を求めて移ってくるのではないかと考えています。

マッシミリアーノ・アットリーニ社長(左)と二村仁ジャパン社社長


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