《話題を追って》6月30日に終了した「キャッシュレス・ポイント還元事業」 中小店115万店が参加 決済比率も上昇、一定の成果
経済産業省が19年10月1日に中小店舗を対象に開始したキャッシュレス決済時のポイント還元補助制度「キャッシュレス・ポイント還元事業」が6月30日に終了した。経産省によると、事業に参加した登録加盟店数は「当初の想定」だった50万店を大幅に上回る約115万店に達し、キャッシュレス決済比率も上がるなど「一定の成果はあった」(津脇慈子商務・サービスグループキャッシュレス推進室長)という。一方で、加盟店手数料率の高さなどキャッシュレス決済を中小店舗にさらに広げるための課題も改めて浮き彫りになった。経産省は対応策を進めている。
(有井学)
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同事業は昨年10月の消費増税後の需要底上げと中小店舗の経営支援、キャッシュレス決済の浸透を目的に実施。SCなどの商業施設やECに出店する店舗も含め、多くのファッション関連小売業も参加した。
全体の登録加盟店数は、制度の対象となりうる中小企業基本法規定の中小店舗約200万店の半数を超え、「多くの参加を促すことができた」と経産省は評価する。事業に参加した決済事業者のキャッシュレス決済手段を使った決済総額(対象決済金額)は昨年10月1日~今年4月13日までで約8兆5000億円、そのうちポイント還元額は約3530億円だった。