遠州発のアパレルブランド「HUIS」（ハウス）の運営を通じ様々な繊維産地の方との交流が広がることで、各産地の課題も赤裸々に聞くようになってきました。いずれも長い歴史を背景に技術を昇華させてきた産地で、国際的にも希少な価値ある生地が今なお生産されている。一方で産地の規模は縮小を続け、職人の高齢化や担い手の不足に向き合っています。
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こうした中で、産地の未来を拓くために必要なことは何なのか？ その答えの一つは「素晴らしい技術を持った人たちが、素晴らしい技術を持っているということを適切に評価されること」と思っています。そんな基本的な第一歩からも遠く離れてしまっているのが、少なくとも遠州産地の現状です。だから遠州に住む人も遠州織物のことを知らない。
日本人が誇りに思えるはずの歴史と技術、それを今担う方々を私たち日本人が知ること。そのためには自分たちのような伝え手が役割を果たし、産地の価値を伝え続けることが大切だと思っています。
遠州産地では若手の繊維関係者が「エントランス」というグループを作り、ファクトリーブランドの展開やイベントの実施など積極的な活動を始めています。生産者が直接、産地の魅力を発信する。その力は消費者にとっても特別で、きっとこの先もっともっと大きなうねりになっていくと感じています。
（HUIS代表 松下昌樹）
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。
