【ロンドン=若月美奈通信員】バーバリーは3月末に退任するクリストファー・ベイリーCCO(最高クリエイティブ責任者)の後任に、リカルド・ティッシが就任することを発表した。3月12日付で着任し、9月に発表するセプテンバーコレクションが最初のコレクションとなる。
イタリア出身のティッシは、99年にロンドンのセントラル・セントマーチン美術大学を卒業。04年に自身のブランドを設立したが、それが当時ジバンシィのCEO(最高経営責任者)を勤めていた現バーバリーCEOのマルコ・ゴベッティ氏の目にとまり、05年にジバンシィのクリエイティブディレクターに抜擢された。2017年2月に退任するまで、12年間オートクチュールとレディスのプレタポルテのデザインを手がけた。
一方、ゴベッティ氏はその後08年にセリーヌに移籍し、フィービー・ファイロ前クリエイティブディレクターとともに、セリーヌを注目ブランドとして成長させた。そして17年7月にバーバリーのCEOに就任。その3カ月後の11月にベイリーの18年3月末日での退任が発表され、12月にはファイロのセリーヌ退任も発表され、次期バーバリーCCO候補としてはファイロが有力視されていた。
ティッシの就任に対して業界関係者は驚きを隠さない。また、英国を代表するラグジュアリーブランドであるバーバリーのビジネスとクリエイションの両方のトップを、イタリア人が務めることになる。
もっとも、ティッシ就任の発表直後にバーバリーの株価は4%上昇。現地ではジバンシィでの実績が高く評価されているティッシへの期待への現れと報道されている。