“人工クモの糸”企業がステラ・マッカートニーと協業

2018/05/24 06:26 更新


 【サンフランシスコ=立野啓子通信員】バイオテクノロジーから生まれたシルクやレザーを使って服やバッグを作る動きが始まっている。スタートアップのボルトスレッズはバークレー大学の隣街エモリービルで、ベンチャーキャピタルの資金を得て3人の科学者が創業した。

 開発した人工クモの糸「マイクロシルク」は、同じ重さで比べると、強さが鉄の5倍という。クモの糸の遺伝子をコピーし、糸を紡ぎ、通気性が高く暖かく、シルクの特性を持つ織物にした。

 量産には至っていないが、16年にパタゴニアと協業したプロジェクトが始まり、昨年は「ステラ・マッカートニー」と協業し、ニューヨークのモダンアート美術館に展示された鮮やかな金色のドレスが誕生した。さらに、キノコの根が持つ菌糸体の細胞を培養して作る、強靭(きょうじん)で革の感触とルックスを持つレザーで、この分野でパイオニアのエコバティブデザイン(ニューヨーク)と協業、「マイロ」として売り出す。ステラ・マッカートニーと協業し、バッグを「ファラベラ・プロトタイプ・ワン」として注文を受け付けるという。

 マイクロシルクのドレスとマイロのバッグは、英国のビクトリア&アルバート美術館の展覧会「ファッションド・フロム・ネイチャー」でも展示。

 「たんぱく質から繊維を作る発想は1930年代に開発されたデュポンのナイロンに匹敵するイノベーション」というアナリストも。ベンチャーキャピタルが集まるサンフランシスコやニューヨークにはスタートアップが集積する。多くは、競争力のある価格で量産するには至っていないのが現状。水の使用量が少なくサステイナビリティー(持続可能性)の視点からも、常識をくつがえす次世代素材だが、商品として市場に登場するには実用化に向けた更なる開発と資金力が必要になる。


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