「高度なサービスを提供する人に高い報酬を払い、サービス業や小売業を確立しないといけない」と話すのは、バロックジャパンリミテッドの村井博之社長。コロナ禍でアパレルのみならず、航空やホテルなどサービス業の質が低下したことを危惧する。半面、「コロナのパンデミック(世界的な大流行)は労働価値の新たな創造の一つのチャンスになった」とも考える。
今春は賃上げを発表する企業が相次ぐなか、同社は「想定していない」と回答した。しかし、人材評価に基づいた適切な昇給は行っていくとした。通常の昇給の枠にこだわらず、優秀な人材を維持、確保していくための待遇が必要との考えを示す。
「AI(人工知能)やECの発達で低賃金の仕事に人材が集まらなくなった」のは以前からの世界的な潮流。「我々もOMO(オンラインとオフラインの融合)施策を進めているが、ここをいかに付加価値を出し、今までとは違うワンステージ上での販売の在り方を作っていくかが課題」と話す。販売員には昇給に加え、休みの取りやすさなど勤務状況の改善にも努めている。