アイジーエーは基幹ブランドの「アクシーズファム」が20周年を迎えたのを機に、SDGs(持続可能な開発目標)の推進とファンの満足度アップの取り組みをより強めている。23年2月期には、ダイバーシティー(多様性)をテーマにしたファッションショーの全国開催や廃棄ゼロなど、「地域やファン、社員を巻き込んで、ファッションの楽しさや課題に取り組んでいる」(五十嵐昭順社長)としている。
ショーは「すべての人が輝ける」をテーマに東京や石川県、愛知県など全国各地で行っており、9月には創業地の福井県越前市で初開催した。新市役所で市とも協業したイベントとなり「約80人がショーに参加し、当社を知らない人にもアピールできた」という。ショーには市職員や在住のブラジル人、地元のLGBT(性的少数者)団体、ファンなどに加えて五十嵐社長も女装して参加、「多様なファッションが発信でき、地域にも楽しんでもらった」。今後は12月に中・四国で開催予定だ。
福井では「ファッションの楽しさをつなげていきたい」と、初めて地元学生との協業も行った。武生商工高校美術部とは越前市とゆかりがある「紫式部」をテーマに、アイデアやデザインをもとにアイテムを製作。福井文化服装学院、仁愛大学、仁愛女子短期大学とは同社の「アクシーズファム・ビンテージストア」の古着を新たなアイテムにリメイクし、それぞれをショーで披露した。
今期から始めた「お客様のもとに出向いて、さらにつながりを深める」オリジナルの移動販売車「アクシーズ・モビリティー」は、関西や愛知、東北、関東、中京、北陸を回り、10月には鹿児島、福岡、山口で実施し、東北から九州までを網羅した。「地域のショップスタッフも参加し、身近にショップがない顧客などの笑顔が見られた」と好評だ。
上期(3~8月)売上高は前年同期比10%増。社の方針や取り組みなどを全社的なものにするため、全社会議を年1回から2回に増やした。また、オフィシャルの「社内アンバサダー制度」も立ち上げ、約80人がSNSを活用して魅力や取り組みの発信を始めている。「社員が自分のこととして、ファンや魅力作りに参画することをもっと広めていく」としている。