女性用コンフォートシューズメーカー、アッソインターナショナル(大阪市)は、3年前に島根県を中心に始めた移動販売で成果を上げ始めている。採算分岐点を超える売り上げを出すだけでなく、顧客情報が取れ、リピート購入率が上がるといったデータも出ている。出店依頼も増え、今年は近畿圏にも広げる。
【関連記事】《トップに聞く》アッソインターナショナル社長 芦田道生氏 国産の良さをもっと伝える
自社ブランド「ミスキョウコ」のサンプルをトレーラー型のカートに積み、直営店のように接客し、ECで購入してもらう点がポイントだ。けん引免許を持つ芦田道生社長が運転する。百貨店のない地域を対象に、当初は島根県を中心に回っていた。3日間で60万円売れれば採算が合う。
今年は7月に島根県雲南市の夏祭り会場に出た。同市には何度も出店したこともあり、80万円ほど売れた。一度購入した人は通常よりリピート率が高く、モバイルショップには友人を連れてくることが多いという。
地域とのつながりも強めている。10月10~12日には、松江市のスーパーの駐車場に出店する。11月にはミスキョウコの木村恭子デザイナーの出身地、兵庫県豊岡市出石に出る。出石お城まつりと重なり、多くの来場者が見込まれている。同月には大阪の枚方家具団地からの依頼で、イベントに出店する。
芦田社長は「今は館やブランディングによる集客だけでは厳しい。小さなつながりを増やすことが大事。(移動販売は)体が続く限り続けていきたい」と話している。