旭化成アドバンスは、堅調な繊維事業をさらに伸ばす。前期(26年3月期)の営業利益は、過去最高だった前年を上回る見通し。キュプラ「ベンベルグ」の裏地やファッション向けの表地、好調なアウトドア・スポーツ向けのナイロン薄地織物の輸出をさらに伸ばす。帝人フロンティアとの新会社設立を10月に控え、これらは、「新会社でも大きな武器になる」と橋本薫取締役副社長執行役員兼繊維本部長兼大阪支社長。
大きな柱はベンベルグ商材。火災からの復旧を受け、ファッション向け表地、裏地、中東民族衣装向け、インナー向けなど様々な用途で生地販売を伸ばす。中東民族衣装向けはアフガニスタン向けが多い。3月分は出荷できなかったが4月分からは供給ルートを確保し、出荷を再開した。「需要は非常に強い。唯一無二の強さが生きている」と高位安定を見通す。
伸び代はファッション衣料向けの表地。市況低迷の中、この3年で大きく伸びた中国アパレル向けに加え、「攻め切れていなかった」欧州向けでベンベルグの表地を再強化するほか、裏地も伸ばす。前期、ファッション向けが大きく伸びたのが北米市場。従来からの大手顧客に加え、他ブランドでも採用が進む。カラーストックして即納体制を整え、加えて別色にも対応することで販売量が伸びている。イタリアで生産する欧州向けも「在庫調整が終わった」と受注が増え、秋以降も順調に伸びる見通し。
耐炎繊維「ラスタン」や人工皮革「ディナミカ」など繊維資材も伸ばす。ディナミカは、インテリアやスマートフォンケース向けなどに期待する。
立ち上げたインド拠点の活用も成長の鍵。エアバッグ包材事業に加え、「トレーディング機能も活用する」とインドの生地を日本で染色加工したり、日本で染めた生地をインドのアパレルに販売するなど巨大市場の成長を取り込む戦略だ。