ネクタイメーカーの成和(東京)は自社工場製の服地の開発・販売に注力している。少ロットで対応可能な小回りの利く生産と、経糸にシルクを使った高級感のある風合いを武器に中高価格帯のデザイナーブランドなどへの拡販を狙う。
着手したのは4~5年ほど前。ネクタイの需要が落ち込み、特に夏物を生産する時期に工場に空きが出るのを有効活用しようとしたのが発端だ。
当初は経緯両方に合繊を使った値ごろ感のある生地も検討したが、価格競争よりも品質で勝負するべきと考え、シルクを使った生地に集中した。「ネクタイ用として常時、織機にシルクが整経されているのも強みになる」(同社)。
主力のネクタイ地は色柄が多いため、少ロットで対応できる。ジャカードによる複雑な柄も得意とする。「凝った織り柄のオリジナルの生地を作りたいが、ロットが合わない中小規模のブランドは多いはず。そうした需要を取り込みたい」考えだ。取引はまだ少ないが、少しずつ引き合いは増えているという。
今後、春夏向けにシャツ地を強化する。経糸がシルクの生糸、緯糸がコットンというぜいたくな仕様で作った。コットンの生地と比べて、よりしなやかで美しい光沢がある。糸をしっかりと打ち込んでおり、張りがあって仕立て映えする。

ジャケット用のシアサッカーも押す。緯糸には通常のポリエステルに加えて、帝人フロンティアのPTT(ポリトリメチレンテレフタレート)繊維の「ソロテックス」を採用。形態安定などの機能も付与した。
