TSIホールディングスグループのレディスアパレルメーカー、アルページュ(東京)は今秋冬、プロパー消化率が90%以上と非常に順調だ。プロパーで売り切り、セール販売をできるだけ縮小することを前提とした販売計画が当たり、17年2月期の予算を上方修正している。
今秋冬は、数量を追うよりも確実に売り切ることを重視し、「コート、ニット、スカートなど、どのアイテムも売れている」と桶田俊二社長。
その結果、プロパー消化率は昨秋冬よりも10ポイント以上高まっており、冬セールにかける商品を減らせると見る。同時に、売り上げも営業利益も伸びており、品不足などによる「機会ロスもない」という。
売れると見込んで量を張る商品と、そうではない商品のメリハリをつけ、その計画の精度が高かったことも消化率アップにつながった。コートの生産枚数もあえて抑制したが、売れ行きは想定通り。ロングのウールコートで6万~7万円と周辺ブランドに比べ高価だが、安心感のある品質が支持されている。
冬セールは、店舗によって3~7日間くらいを想定。セールに回す商材もさほど残っていないため、「2日目以降はプロパー商品を投入していく」。ルミネ新宿にある3店は、夏と同様、セールを行わずプロパー販売を貫く。
プロパー販売強化は、「店頭や企画のスタッフなど、皆のチームプレーがあってこそ。お客様が喜んでくれる商品作りや、社員が楽しく仕事ができる会社を目指したい」と強調する。
ネットの売り上げも伸びている。今期は26%増で推移。通期で、全社売上高の3割に当たる30億円を超える可能性がある。リアル店のあるエリア在住の客の利用が多く、店とECをうまく使い分けて買い物をしているようだ。
今秋冬のテレビドラマで、人気女優が商品を着用した影響で、夜中にECの数字が大きく伸びるなど、リアル店にはない売れ方も起きている。将来的には50億円を狙う。
今期の全社業績は、3~11月の累計で売上高が前年同期比約10%増、営業利益50%増と好調。このため通期予算を上方修正し、売上高100億円、営業利益率15%を見込む。