アルマーニ、インテリア事業好調 

2015/09/10 06:41 更新


 ラグジュアリーブランド各社がインテリア事業に力を入れるなか、伊アルマーニグループが一歩先を行く動きを見せている。同社のインテリア事業の一つである、インテリアのデザイン提供を行うIDS(インテリア・デザイン・ステュディオ)が飛躍的に成長しており、インテリア事業全体を引っ張っている。

 同社のインテリア事業は、00年に始まったホームコレクション「アルマーニ・カーザ」の小売り部門に加えて、04年に始まったホテル事業(アルマーニ・ホテル)とIDSの3本柱で進めている。インテリア事業全体の14年の売上高は前年比20%増。近年、シェアを高めているIDSが、インテリア事業の増収に貢献している。アパレルを含めたグループ全体の14年の売上高は25億3500万 ユーロ で、前年比16%増。インテリア事業とオートクチュールの「アルマーニ・プリヴェ」が増収を後押しした。

 IDSでは、ホテルや分譲マンションのインテリアを不動産ディベロッパーとともに手掛ける取り組みのほか、個人邸の内装デザインやインテリア全般なども請け負っている。

 14年は、ロンドンにあるビクトリア時代の集合住宅を、一軒の住宅としてリノベーションした。現在は北京で建設中のスマートヒーロー・セントラルパークプラザ・レジデンスのインテリアデザインを手掛けており、レジデンシャルユニットや共有エリア、アメニティー施設のデザインを担当している。ほかにもインド・ムンバイやフィリピン・マニラ、中国・成都、米国・マイアミなどでも案件が進んでいる。

 IDSが手掛けるプロジェクトは、3、4年前から増えており、15年から18年までに6軒完工する予定だ。同じ都市に何カ所も作るのではなく、クライアントの要望を重視しながらクオリティーを維持していく方針だ。

 アルマーニ・ホテルは10年にドバイ、11年にミラノにオープンした。現在はいずれも稼働率が高く、新しいホテルの計画も進む。

 ホテルは、IDS事業を実体験してもらえる場所でもあり、IDS事業が具現化したきっかけにもなっている。

4月に開催されたミラノサローネでもIDS事業を紹介した (c) Stefano Guidani
4月に開催されたミラノサローネでもIDS事業を紹介した (c) Stefano Guindani


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