【ミラノ=高橋恵通信員】ジョルジオ・アルマーニは、ジョルジオ・アルマーニ氏の遺言手続き完了と、遺言に基づき任命された新取締役会の発足を発表した。新取締役会は、アルマーニ財団と相続人によって選出された8人で構成され、アルマーニファミリー代表3人、ファッション、金融分野の専門である非執行取締役4人、そして取締役会唯一の従業員であり会社の運営管理を担当するCEO(最高経営責任者)兼常務取締役MDから成る。
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10月半ばに、会長には長年アルマーニ氏の右腕だったパンタレオ・デッロルコ氏、CEO兼MDには、勤続23年のベテランで、19年からCCO(最高商務責任者)を務めていたジュセッペ・マルソッチ氏が仮就任済み。11月28日の株主総会で、全取締役メンバーが確定された。アルマーニ氏のめいでレディスのデザインを率いるシルヴァーナ・アルマーニ氏、おいのアンドレア・カメラーナ氏のほか、非執行役員として、元「グッチ」CEOで現在は投資会社ネッシファッション代表のマルコ・ビッザーリ氏、11年間アルマーニ氏の右腕を務めたジョン・フックス氏、「ユークス」創業者のフェデリコ・マルケッティ氏、ミラノの実業家アンジェロ・モラッティ氏が任命された。
デッロルコ会長は、「今回の人事で50年以上にわたって築き上げられたアルマーニ氏の美のビジョン、ビジネスモデル、倫理的価値観を継続・強化・更新するための最良の保証が提供され、市場の課題と機会に効果的に対応することが可能となる」と述べた。
取締役会は、財団によって保証された創業理念に従って運営される。遺言で定められた通り、新株主の参入や株式上場といった将来の展開にかかわらず、会社資本の30%を下回ることのない株式を保有する方針。