アマゾン・ファッション・ウィーク東京19年秋冬は、丈やボリュームのバランスが焦点となっている。ボトムはキュロットやフレアシルエットのパンツ、アウターは艶やかなボアを組み合わせたマスキュリンなデザインが登場している。トレンチコート、MA-1のアップデートも目立った。
（小笠原拓郎、須田渉美、写真＝加茂ヒロユキ）
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サポートサーフェス（研壁宣男）は、丁寧なはぎ合わせやギャザードレープを生かした静かな大人の女性の服を揃えた。ハイウエストスカートはウエスト部分をレザータッチの素材と切り替え、パンチングを入れたフェイクレザードレスは軽やかなフリルが袖に揺れる。コーティングのフード付きコートやフリーストップなどのユーティリティーアイテムもあるが、研壁らしいエレガントなムードに仕上げられる。
フリースコートも量感を生かしてバレルのようなシルエットを描く。ボンディングトップのマットなタッチとフェイクファーのスカートがコントラストを成し、シャギーグラデーションがトップやコートを彩る。ドレスにギャザードレープを流しても甘くならずに、どこか凛（りん）としたムードを作り出す。それは丁寧なテクニックを取り入れながら、それを強調しすぎない秋冬のスタイルによるものだ。
テーマは「ピュア・フォーム」。複雑なものを複雑に見せずにシンプルに表現した。
初のショーのザ・リラクス（倉橋直実）は、ボトムを多彩に揃え、クラシカルなスタイルをモダンに進化させた。メンズ、レディスともにグレー、ネイビー、ベージュを軸に、グレンチェック、ゴールドのサテンなどを差し入れて上質感を際立たせる。
レディスのテーラーリングスタイルを新鮮に見せるのは、膝下丈のキュロット。軽やかで広がり過ぎないドレープが、コンパクトなジャケットに静かな躍動感を、ビッグショルダーのジャケットにエレガンスを添える。
プリーツのワイドパンツもキーアイテムの一つ。アウトドアスタイルのコートの足元にフレアシルエットを作り、モヘヤのトップにコルセット風の太めのベルトを合わせてドレッシーに見せる。アーガイル柄のフリースのノーカラーコートやフーディ、スタンドカラーのショート丈ベストで、スポーツの要素を品良く加えた。
ハイク（吉原秀明、大出由紀子）は強みのミリタリースタイルを丸みを帯びたラインで女性らしく仕上げた。カーキのブランケットを使ったコートは、ラグランの袖口を大きく膨らませ、ラウンドしたスタンドカラーでスマートさを印象付ける。
ブルゾンの身頃をゴールドのボアで切り替え、サイドをプリーツで流したスカートを合わせたり、ロングコートはボアのラグラン袖で肩にボリュームを出したりと、大人のカジュアルスタイルを柔らかに表現。カーキ、ネイビー、ベージュ、白の定番色が続く中に、鮮やかなグリーンを差し入れてコントラストを利かせた。
