23年春夏ミラノ・メンズコレクション スポーツやリゾートをミックス

2022/06/22 06:28 更新


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 【ミラノ=小笠原拓郎】23年春夏ミラノ・メンズコレクションは、様々なカルチャーをミックスした軽快なスタイルが広がっている。スポーツやリゾート、アメリカやジャマイカのカルチャーを取り入れて春夏らしい色と組み合わせる。

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 MSGMの軽快なミックススタイルがさえている。大きなブリムのハットにゆったりしたウェスタンシャツの組み合わせ、そこにリゾートイメージの柄をモノクロでのせたパンツでまとめる。春夏はアメリカのウェスタンスタイルとハワイアンやリゾートの要素、テーラーリングとラガーシャツといったアイテムが混在する。そのミックススタイルにセンスの良さを感じるのは、ハイビスカスをはじめとするリゾートモチーフの柄がモノクロや同系色のシックな中に収められていること。一方でラガーシャツの太めのストライプにはピンクやグリーンの鮮やかな色を使う。

MSGM

 シックなテーラーリングを見せながらも、ボトムはあくまでもハーフ丈のパンツスタイル。ジャケットの構築的なラインはエレガントでありながら、軽やかに仕上げる。ここ数シーズン、リゾートカジュアルの春夏スタイルを見せてきたが、フィジカルで見られたせいか、テーラーリングのエレガントな質感を感じることができ、それがコレクション全体のクリエイションの振れ幅の広さを感じさせる。貝殻のネックレスなどのアクセサリーも楽しい。

MSGM
MSGM

 様々なスタイルをミックスしていくのが得意なブランドといえばディースクエアード。春夏はマリンスポーツやサーフィン、モトクロスバイクといったスポーツの要素をミックスした。そこにジャマイカンカルチャーのラスタファリズムを思わせる色使いを加えていく。テーラードジャケットと組み合わせるパレオ、スポーティーなネオプレントップの一方でラスタファカラーのクラフトニットもある。バイカージャケットのスリーブだけを切り替えたトップやタイダイのパンツなど、様々な素材感と色柄を組み合わせていく。

 ディースクエアードのミックススタイルは、時にあからさま過ぎて興ざめしてしまうこともあるのだが、今シーズンはミックスの仕方が控えめで複雑。その分、キャッチーではないのだが、こんなシーズンも面白い。

ディースクエアード

 ドルチェ&ガッバーナは「リエディション」と題したコレクション。1994年からのアーカイブを背景に、各時代を彩ったスタイルを再編集した。白いアンダーウェアから始まったショーは、このブランドの象徴ともいえるブラックのテーラードスタイルやブラックレースのシャツへと続く。

ドルチェ&ガッバーナ

 初期は、シチリアの伝統を背景にしたスタイルだったことを思い出す。今振り返っても圧巻なのが、ビジュー刺繍を全面に施したテーラードジャケットやビジュー刺繍のシャツ。足元のバブーシュまでビジューをのせたルックは、ドルチェ&ガッバーナに最も勢いがあった頃のメンズコレクションだ。聖母マリアや十字架のアイコンなど、シチリアの深いキリスト教信仰を背景にしたクリエーションも目立つ。

ドルチェ&ガッバーナ

 ヒップホップカルチャーを意識した時代のコレクションも出てくるが、それはこのブランドが時代に合わせていった結果だと感じさせる。ファッションである以上、時代との関係は意識せざるを得ないし、ブランドを長く続けていく上で、クリエーションを時代に合わせていくことが必要な時期もある。しかし、こうして振り返ってみると、時代に合わせたコレクションよりも、自らのオリジンに忠実であった初期のコレクションがパワフルだと思わずにはいられない。それは時代に合わせたものではなく、自らの感性で時代を切り開いてきたものだからであろう。

 このリエディションのコレクションを否定するつもりはないのだが、こうしたアーカイブのようなラインをブランドの中に作ったうえで、それとは違う新たな創造性に再び挑むということはしないのであろうか。ミラノファッションウィークでのショーである以上、それを望まずにはいられない。

(写真=ディースクエアードは大原広和、他はブランド提供)


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