20~21年秋冬ロンドン・メンズコレクション あいまいな抽象柄が浮上

2020/01/08 06:29 更新


 【ロンドン=小笠原拓郎】20~21年秋冬ロンドン・メンズコレクションは様々な柄の変化がトレンドとなっている。ネオンカラーをにじんだように組み合わせたサイバープリント、レパードなのかカムフラージュなのかが分からないような抽象柄、連続する花柄も一見すると、花には見えないあいまいな柄だ。人の顔をコラージュしたようなプリントも多い。伝統的な柄ではタータンチェックや大柄のチェックが増えている。

(写真=ブランド提供)

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 サステイナビリティー(持続可能性)をアピールするブランドが増えたロンドン・メンズコレクションで、それとは異なる流れのブランドも健在だ。久しぶりにランウェーに戻ってきたアストリッド・アンデルセンは、変わらないラグジュアリースポーツのラインを見せた。柔らかなシルクの光沢のポンチョのトップ、上質なファーの量感あるコート、文字通りラグジュアリーな素材を生かしながら軽やかなカジュアルラインを描く。サステイナブルの文脈の中ではアンチファーをうたうブランドも多いが、アンデルセンは「持続可能な調達の仕方をするファー」を強調している。

 この秋冬のキーとなるのは連続する花柄に花びらが刺繍されたような生地。アンデルセンの小さな頃の思い出が原点となり、その当時の家のソファの生地から花柄を作った。花柄は変形のカムフラージュ柄と切り替えコンビネゾンに仕立てられ、不気味な頭巾にも使われる。そのコレクションにはシーズンごとの劇的な変化はないのだが、それでも高いクオリティーの素材とあいまって、ロンドンにはなくてはならない存在のように思える。

アストリッド・アンデルセン
アストリッド・アンデルセン
アストリッド・アンデルセン

 アンデルセンと同じようにファーを大胆に使ったブランドにエドワード・クラッチリーがある。「インターナショナル・ウールマーク・プライズ」を獲得した注目株は、以前のどこか不穏なムードを持ったスタイルに戻ってきた。オペラパンプスのようなエレガントな靴とともに見せるのはシックなライン。

 ジャケットとコートとパンツのチェック・オン・チェックのコーディネート、刺繍のパンツスーツにはファーコート、ゴージャスなアストラカンのコートはその毛足の動きが迫力を作る。人の顔や裸体をコラージュしたプリントドレスに変形レパードのような柄のコートなど、さまざまな柄とアイテムが混じりあう。フィリピンにスコットランド、ジャワ、ネオキュビズム、異なる地域と時代をミックスしたコレクション。

エドワード・クラッチリー

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