【2020年・新時代をどう生きるか】設立50年を迎えた浅野撚糸

2020/01/14 04:00 更新


【0を超えてプラスへ】撚糸業の強化

 「糸」の会社です。岐阜県西濃地域の豊かな水を使って、糸を加工する撚糸業を営んできました。そして化合繊を自由に組み合わせた複合撚糸の開発を続けました。しかし2000年から安い海外繊維製品に押されて撚糸業の仕事が一気に減りました。会社はどん底に落ちましたが、家族と残された社員で再生の道を探った時に救いがあったのは、撚糸の可能性でした。「ナンバーワンよりオンリーワン」を目指して開発を続けた結果、誰にも負けない新技術「スーパーZERO」を開発。そして、そのスーパーZEROを使ったタオル「エアーかおる」が誕生しました。

 スーパーZEROとエアーかおるが多くのお客様のご支援をいただいて、世界に通用する技術と商品になったと確信しております。そして、当社は今年5月に岐阜県揖斐川町谷汲に新しい撚糸工場「モリ・タニグミSUPER ZERO MILL」を開業いたします。

モリ・タニグミSUPER ZERO MILL

【0を超えてプラスへ】岐阜県安八町から発信

 昨年10月、タオルブランド「エアーかおる」の旗艦店「エアーかおる本丸」を開店いたしました。絶体絶命のピンチを迎えた当社を救ってくれたこのブランドに感謝し、そしてブランドを通じて応援してくれた皆様にも感謝しつつ、このブランドを次の50年も守っていきたいと思っています。エアーかおる本丸のショップは弊社西隣に開設いたしました。エアーかおるをお知りになった皆様が当社を訪問する機会が増えています。本社撚糸工場の見学とエアーかおるの直営ショップ、そして創業50年の歩みを表し、古民家再生協会認定岐阜県第1号にもなった当社創業者宅の3つを合わせて「エアーかおる本丸」と命名いたしました。今年4月11日にグランドオープンを迎えます。

エアーかおる本丸・直営ショップ
エアーかおる本丸・直営ショップ


【0を超えてプラスへ】福島県双葉町から発信

「双葉町立地協定調印書」にサインした浅野社長と伊澤史朗双葉町長

 東日本大震災の激震、津波、そして東電福島第一原発事故による放射能流出の3つの大被害を受けた福島県双葉町に、新たな撚糸工場「アサノフタバSUPER ZERO MILL」(仮称)を開業いたします。

 怒涛のように押し寄せてきた津波によって何もかもなくなった双葉町の地に、新たな工業団地が作られ、町民の皆さんの復帰も2022年から始まります。私たちは双葉町の復興から次への発展を担う一翼として「アサノフタバSUPER ZEROMILL」を稼動させ、双葉町を代表する糸やタオル製品を日本だけでなく世界に発信していきます。

2020年4月11日に、双葉町との共同開発商品「エアーかおる双葉」の第1弾「ダキシメテフタバ」を発表いたします。ご期待下さい。


浅野撚糸株式会社 代表取締役社長 浅野雅己

浅野氏

 私が9歳の時に会社が生まれ、その時より父の背中を見てきました。父から多くを学びました。その内の一つを次世代にどうしても継承しなければならないと日々念じています。それは、父のファイティング ポーズです。

 ファイティングポーズとは、ボクシングでダウンした後、立ち上がってまだ闘う意思があるかどうか意思表示するポーズです。創業当時の苦境の時。水害で全て沈んだ時。訴訟団の団長で迎えた長良川水害訴訟の最高裁敗訴の判決の時。胃癌ステージ4と診断された時。まだまだありますが、必ず父はノックアウト寸前で立ち上がり、相手をじーっとにらみ笑みを浮かべました。そんな父のファイティングポーズにあこがれました。この精神の継承は難しく、どうしても経験が必要です。

 そんな時双葉町への工場進出のお話を頂きました。昨年7月末初めて双葉町を訪れました。8年間ずっと打ちひしがれている現地の惨状に息を飲みました。8年前7000人の幸せな生活を送っていた町の住民はいまだ0人です。しかし、その町を案内してくれた伊澤町長のファイティングポーズは、実にかっこよかった。そして双葉町・福島県・機構・経産省のどなたを見てもファイティングポーズをしっかりとって未来を見ておられ、実に謙虚でした。「こんな人たちから学びたい。こんな人たちと仕事をしたい」と親子の意見がピタッと合致しました。そして、初めて息子宏介が自らファイティングポーズをとりました。

 父、博の魂を、息子・雅己が受け継ぎ、孫・宏介へと。

 引き続き皆様にはご指導の程宜しくお願い申し上げます。



浅野撚糸株式会社

〒503-0124 岐阜県安八郡安八町中875-1

TEL: 0584(64)2279

URL:http://www.asanen.co.jp/



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