【2019年・新時代をどう生きるか】タキヒヨー 滝一夫社長執行役員

2019/04/26 06:00 更新



 主力事業で成長の牽引役となっていたレディスアパレルのOEM・ODM(相手先ブランドによる設計・生産)が逆風に見舞われていたタキヒヨーだが、前期(19年2月期)決算で営業利益と経常利益の黒字化を果たした。収益の改善に向けた取引の見直しや組織改革、社内の意識変革が進んだことによるものだ。この間、着実に進めてきた改善をさらに強め、今期(20年2月期)は増収、増益を見込む。短期的な反転策と同時に、中期的にタキヒヨー独自の「強み」を作り上げるための施策も打ち出す。

新たな組織を立ち上げ事業推進

 今期(20年2月期)は前期に続いて利益率の改善に挑戦します。低利益率の取引を見直してきたことで、前期は営業損益で10億円以上改善し、黒字化しました。粗利益率が17%や18%といったレベルにとどまらず、20%を超える努力をする必要があります。

 売上高は前期80億円減りました。その中でレディスアパレルが70億円を占めています。今期は連結ベースで20億円の増収を目指しますが、単純に利益率の低い取引に走ることなく、採算の伴う商売を引き続き重視します。主力の取引先とも綿密な商談を始めていて、当たりが出始めたり、追加受注が入ったりしています。これをどれだけ積み上げられるかが大事です。

 改善が進んだことで水面上に顔が上がりました。これを維持しながら、売上高をどう増やすか?競争が激しい中で、この課題に取り組みます。そのための一策として、組織変更と人事異動を行いました。3月1日付けで新たに二つのチームを発足させました。

 コーディネート開発チームは量販店向けに単品だけで勝負するのでなく、コーディネートで提案するものです。当社にはまだまだコーディネートの仕組みが弱いため、アイテム別になりがちだったのを改善します。今期は5人の専任チームを軸に進めていきます。

 もう一つがサステイナブルチーム。ベビーキッズや貿易部などの各部署から、アップサイクルなどに取り組んでいる意欲のある社員に集まってもらいました。グアテマラで作るリサイクルコットン糸の「ザ・ニュー・デニム・プロジェクト」のほか、様々な糸やテキスタイルに扱いを広げ、サステイナビリティーの活動を中期的なものとして推進します。

ベーシック商品でシルエット追究

 レディスアパレルの売上高は前期単体で255億円になりましたが、立て直しを急ぐ必要があります。特に主力であるカットソーとボトムで、6人のパタンナーを配置しました。ベーシックな商品で小売価格の上限が厳しい中、素材での差別化には限界があります。そこでパターンを徹底的に研究し、シルエットで違いの出るカットソーやパンツを追究する戦略です。19年秋冬物からスタートする予定ですが、ベーシックなアイテムながら見えない部分にコストを掛け、独自のシルエットで競争を勝ち抜きたいと考えています。

 原料や素材から製品までを一貫で供給する強みは、これまで以上に強めます。例えば、機能素材の共同開発にも力を入れています。台湾のテキスタイルメーカーと開発した「イージーケアサーモ」は、家庭で洗えるウール調ポリエステルに軽量保温の「サーモライト」を組み合わせました。また、中国の素材メーカーとは、アクリル系の瞬間発熱素材「フレスケアサーモ」を共同で開発しました。抗菌、防臭、消臭機能を持ち、19年秋冬物から活用していきます。

テキスタイルで新たな挑戦

 テキスタイル営業部と国際営業部を統合し、グローバルテキスタイル営業部を新設しました。部長には30代の社員を抜擢、従来の業務のスタイルや領域を越えていって欲しいと期待しています。

 これまで国内を含めた当社のテキスタイル事業はシーズンが秋冬に偏り過ぎていました。春夏が弱いということが分かっていながら、なかなか良い手立てを打ってきませんでした。これを修正するのも欠かせません。

 テキスタイルの貿易では前期に50億円を超えました。特に米国のスポーツ系が好調です。欧州も販売が増えていて、年初に仏パリにショールームを開設しました。日EU(欧州連合)・EPA(経済連携協定)の発効も追い風になるでしょう。

テキスタイル輸出はプルミエール・ヴィジョンなど海外見本市で評価が高く好調

 アジア市場で伸ばすことも重視したい。中国は生地と製品の売上高が前期で4~5億円ですが、市場が大きいのは間違いありませんし、成熟化という変化もあります。ファクタリングやキャッシュオンデリバリーなども使って強化していきます。

市場の変化にらみ、新規事業も

 ホームインテリアの分野で新たなブランド・商品を考えています。ルームウェアだけでなく、インテリアファブリックを開発し、クッションやソファ、カーテン、壁紙など幅広いアイテムまで視野に入れています。その布石として既に組織を変更しました。単品主体ではなくコーディネート商品を企画し、売り場の活性化を狙います。小売価格のレンジも従来とは異なるでしょうし、BtoC(企業対消費者取引)もあり得ます。

 小売事業は、昨年3月に名古屋で1号店を出したセレクトショップの「メランジトップ」の出店を加速します。

直営セレクトショップ「Melangetop」(メランジトップ)の出店を加速

 今月には福岡のファッションビルのヴィオロ、秋には関西の百貨店に出店予定です。メーンブランドの「ZOY」(ゾーイ)を中心に扱い店舗数を増やし、事業の拡大を目指します。伊シューズメーカーと協業したオリジナルのゴルフシューズも拡販します。また、伊メンズカジュアルブランドの「BOB」(ボブ)はタレントによる露出が増え、好調な販売で伸びていますが、新たに日本企画を加えるなどさらに拡大していきます。

スポーツブランドの「ZOY」(ゾーイ)は、日常のライフスタイルまで提案
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タキヒヨー株式会社 代表取締役 社長執行役員
滝 一夫 氏
【profile】1960年生まれ、1990年タキヒヨー入社、2001年百貨店事業部副事業部長、2003年執行役員テキスタイル事業部副事業部長、2004年取締役テキスタイル事業部長、2008年常務取締役テキスタイル事業部長、2010年常務取締役営業部門副統括兼貿易部・AKNYブランド・テキスタイル営業部・テキスタイル企画開発室管掌を歴任、2011年3月より現職。

タキヒヨー株式会社

【URL】https://www.takihyo.co.jp/

【住所】〒451-8688 愛知県名古屋市西区牛島町6番1号 名古屋ルーセントタワー 22、23、24F

(繊研新聞2019年4月22日付)


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