【ロンドン=小笠原拓郎、若月美奈通信員】18~19年ロンドン・メンズコレクションは、再び若手が台頭し始める一方で、しっかりとそのポジションを固めつつあるデザイナーもいる。ジョナサン・アンダーソン以降に登場したデザイナーたちが今や、ロンドン・メンズの屋台骨になっている。
(写真=catwalking.com)
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今やすっかりロンドン・メンズの顔となったのはクレイグ・グリーンだ。スクエアな布の量感とストリングスやドローコードのテクニックを生かした作風は、グリーンの持ち味。木の板とビニールや布を組み合わせた凧(たこ)のようなオブジェをモデルのフロントに飾るといったコンセプトワークも、デビュー以来一貫して出している。
この基本となるデザインワークをベースにしながら、時に昔の木版から作ったレトロ柄の生地を取り入れたり、ドローコードを布いっぱいに織り込んで立体表現を作るといった展開を見せてきた。
そのクレイグの秋冬は、トップやボトムに、ロール状に布を縫いとめて立体を作るテクニックが軸となる。トップやボトムのシーム部分の縫い代がはみ出したように揺れるディテールもある。
スクエアな布の量感とストリングスを組み合わせたアイコニックなスタイルは、今シーズン、カラーブロックのような配色がポイントとなった。今や一目でグリーンと分かる様式を作り上げたことは評価できるが、その先にある新しい展開をもう少し見たかったと感じさせるコレクション。