17~18秋冬ミラノコレ、布の動き

2017/02/27 06:27 更新


 【ミラノ=小笠原拓郎、青木規子】17~18年秋冬ミラノ・コレクションは、ふわふわとした布の動きを生かしたラインが目立つ。ドレスやスカートのヘムに飾ったフェザーや布の量感、袖口やパンツの裾に揺れるフリンジ。その流れるような布の動きで女性らしさを強調する。


■プラダ レトロなムードで描く多面的な女性像

Prada / RTW AW17-18 MILANO

Prada / RTW AW17-18 MILANO

Prada / RTW AW17-18 MILANO

 プラダはフェザーやランジェリー、柔らかなアルパカのニットやスカートで女性らしさを強調した。壁にはレトロなイメージのポスターが貼られ、ランプやベッドが配置された室内のような空間が作られた。

 コーデュロイのパンツスーツやコートは、メンズコレクションから続くレトロなイメージ。そこにニットのブラトップをコーディネートして、フェミニンな気分を加える。ヘムにボリュームを盛ったアルパカドレスやスカートは、大きなシープスキンの襟のコートと組み合わせる。ドレスやスカートのヘムラインに動きを作るのがポイントで、マラボーフェザーを裾に飾ったドレスやスカートも多い。

 ランジェリードレスはビーズ刺繍とともに裾をニットで切り替えて、官能的というよりもレトロな可愛さを描く。ラムファーコートにファーブーツを合わせたエスキモーガールイメージやインターシャニットのセットアップ、映画のポスターのような女性のプリントをしたミニドレスやセットアップ。どこか懐かしいムードが漂う。ナッパレザーにフリンジやスタッズ、ビーズ刺繍をしたコートやブルゾンは50年代の気分。

■フェンディ

Fendi / RTW AW17-18 MILANO

 フェンディは「X」をキーワードにしたコレクションを見せた。コートはハイウエストで深いタックを入れたXシルエット。艶やかなレザーコートやファーコートは、ウエストシェイプが強調されるとともにXの文字のレザーがウエストにアップリケされる。

 カットワークフェルトのプリントのグラフィックは、19世紀のウィーンのテキスタイル作品集からイメージしたもの。メイプルのような葉のモチーフは、刈り込みファーや象眼コート、ブルゾンにのせられる。ヘリンボーンやグレンチェックなどの伝統的な素材を使ったコートやスーツは、ファーのカフスの切り替えとウエストリブのスポーティーなディテール。新作バッグやベルトには「F」のロゴを手織りのシルクベルベットで描く。シアードレスのレイヤードスタイルでフィナーレ。

■エミリオ・プッチ

エミリオ・プッチ

 グリーン、オレンジ、ピンク、ブラウン。エミリオ・プッチはきれいな色と長いフリンジを組み合わせた。スパンコールのトップは袖口から床に着きそうなほどのフリンジが下がり、ギャザードレープドレスは胸元からふわふわとフリンジが揺れる。ハットのブリムやジーンズのフロントにもフリンジをびっしりと飾る。装飾のドレスの胸元からカットワークで素肌を見せ、アーカイブのグラフィック柄は半身で切り替えてドレープを流す。マーブル模様パンツスーツにグリーンやオレンジのファーコート。まばゆい光沢と揺れる布の動き、グラフィックを織り交ぜたコレクション。

(写真=大原広和)

続きは繊研新聞2017年2月27日付12面をご覧ください



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