YKK、4月から新中期経営計画

2017/03/02 18:12 更新


ファスニングで量的成長目指す アジア各国へ積極投資

 YKKは2日、4月から始まる第5次中期経営計画(17~20年度)を発表した。経営ビジョン「技術に裏付けられた価値創造」のもと、「商品力と提案力」「技術力と製造力」「人材育成」を最重点に取り組む。20年度のファスニング事業の数値目標は連結売上高が3853億円(16年度推定2935億円)、営業利益698億円(465億円)、営業利益率18・1%(15・8%)。ファスナーの販売本数は128・8億本(87・7億本)への拡大を目指す。

 第5次中計におけるファスニング事業の方針は「さらなる量的成長を目指して」。実現のために、ファストファッションをはじめとするSPA(製造小売業)、欧米のNBといった「最も物量が多いマーケット」(同社)を〝スタンダード〟と定義し、その領域での競争力を特に強める。「より良いものを、より安く、より早く顧客に提供することを目指す」考えだ。

 重点施策は、世界のR&D(研究開発)センターの機能を生かした開発体制の強化、ファスナーの表面処理技術の強化や、その内製化による商品バリエーションの拡充、短納期ラインの構築などの対応、工機技術本部と連携して推進している製造ラインの省人化などによるコスト競争力の強化。

 量的成長に向けて、アジア各国の拠点で積極投資を進める。4年間の投資総額は1541億円(YKKグループでは2770億円)を計画している。そのうち、中国は257億円、インド、バングラデシュ、ベトナムを中心としたその他アジアは651億円。

 開発体制の強化も継続し、開発拠点は20年度に41カ所(現在は22カ所)へ増やす。そのうち、R&Dセンターはトルコ、インド、ベトナムに開設して9拠点となる。開発人員は1060人(同810人)へ増員する。「各地域で顧客からの要望に対し、より迅速に対応するため」という。

 吉田忠裕代表取締役会長CEO(最高経営責任者)は、「かなり強気な計画だが、技術でしっかり裏付けられた強気でありたい」と強調。「技術開発を推進し、困難な状況も打破していきたい」としている。



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