「ヤストキムラ」の木村康人さん オーストラリアで東洋人ならではの物作り

2022/07/27 06:26 更新


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日本とオーストラリアを拠点にグローバルに向けて発信していきたいと語る木村さん

 「西洋の文化である洋服を、東洋人ならではの感性で表現したい」と話すのは、オーストラリアを拠点に受注生産のユニセックスブランド「ヤストキムラ」を手掛ける木村康人さん。7月30日~8月2日に、東京・渋谷の青山展示室で初となる展示会を予約制で開く。日本のきものなどから着想したゆとりのあるサイズバランスや、西洋の仕立てとパターン技術を掛け合わせる。ジャケットとスラックスのセットアップやシャツなど、快適かつ洗練されたワードローブを提案する。

(相神優波)

人体彫刻の経験から

 群馬県出身で、東京造形大学の美術学部で彫刻科を専攻した後、元々ファッションが好きだったことから、エスモードジャポンに入学し、パターンメイキングと縫製技術を学んだ。アパレル会社でメンズデザイナーとして4年間キャリアを積んだ後、20年にオーストラリアでヤストキムラを立ち上げた。「学生時代に人体の彫刻を作っていた経験が、立体的なパターンにつながっている」と話す。人体の彫刻を掘ることが大好きだったという立体感と曲線へのこだわりは、ブランドの特徴となっている。

 商品はコレクションから選び、受注生産で仕上げる。客に合わせたシャツの着丈や袖丈、パンツ丈の調整も可能。アームやボタンホール、ボタンステッチなど多くの作業はデザイナー自ら手作業で行う。アイテムはすべてアーカイブに保存し、生地を変更して同じ商品を作ることも可能だ。消費の激しいファッションの楽しみ方ではなく、いいものを長く着てほしいという思いが込められている。

 トラウザーパンツは、1枚の布から仕上げる。脇に縫い目はなく、アイロンワークでカーブを付けてドレープ感のあるシルエットを描く。きものの袖から着想したゆとりのあるショルダーラインが特徴のシャツドレスも企画した。参考価格はジャケット15万~17万円、パンツ5万~6万円、シャツ3万~4万円、コート14万円に設定している。

ボクシーラインのジャケットは、肩やアームホールなどを手縫いすることで着心地の良さを実現

ベーシックな美しさ

 14年7月、イタリアの若手デザイナーのコンクール「イッツ2014」で、「日本のサラリーマンを美しく」をテーマに、現代のビジネスマンから着想したコレクションを制作した。この作品で日本人ファイナリストに選出され、ファッション部門で受賞した。今もトレンド感の強いアイテムより、ベーシックで日常の中に取り込みやすいデザインの中の美しさを大切にしている。

「イッツ2014」の作品、通勤ラッシュに揉まれてスーツにシワができた激務のサラリーマンを連想させる

 20年のコロナ下にオーストラリアに渡りブランドを立ち上げ、長い隔離期間でコレクションの立ち上げが1年遅れた。「最初は現地で裁ちばさみを用意するのも大変だった」という。現在はBtoB(企業間取引)のOEM(相手先ブランドによる生産)や、オンラインストアでの受注販売を行っている。今後は、メルボルンのアトリエでのショップオープンや日本のセレクトショップへの卸など、グローバルで販路を拡大していきたい考え(問い合わせはインスタグラムの@yasutokimura)。


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