ワールドグループの卸事業会社、ワールドアンバーは24年春夏物から、レディスセレクトショップのイキツケ(東京都世田谷区)との協業で、働く女性に向けた新ブランド「IKITSUKE」(イキツケ)を販売する。同社の個人経営の専門店との協業は初めて。専門店、百貨店の自主編集売り場などに販売する。
ブランドコンセプトは、「リラックスエレガンスなヒト・モノ・オミセ(お店)を通じてライフスタイルを豊かにする」。24年春夏物ではカットソー製品、パンツ、ワンピース、ブラウス、バッグなど21型を出す。価格は1万円台が中心。ワールドアンバーは当面、商品生産、全国専門店への販売、オリジナル商品開発、立地に応じたバイイング構成など次世代の専門店に向けた提案をする。
山本幸正、顕子夫妻が共同代表のイキツケは18年に創業。伊、仏からの輸入と国内ブランドをミックスした仕入れとオリジナル商品を販売し、コロナ下でも売り上げを伸ばし続けた。現在は都内に3店を構える。同社は住宅街など生活圏にある専門店の本質を「気兼ねなく訪店でき、対話を重ねて自分の似合うファッションを楽しむ場所」ととらえる。オリジナル商品は店頭での対話で得られたニーズを反映してきた。創業から5年で、顧客をつなぎとめるオリジナルブランドを専門店卸で販売することを目標としていた。
ワールドアンバーでは既存ブランドの顧客のシニア化が進み、40~50代にも支持されるブランド開発を課題としていた。ブランド研究を進めるうち、イキツケの商品がトレンド重視でなく、身近な街で楽しめるファッションであることに着目。客との対話を大切にするイキツケの姿勢も開発目標と合致するとして協業を申し入れた。イキツケも、ワールドグループのプラットフォームや営業力が活用できることでIKITSUKEの商品と商品に込めた思いを広められるとして協業を歓迎した。
岩切徳人ワールドアンバー社長は「プライベートまで熟知した人からファッションを薦められ、物としてだけでなく精神的な満足も与えるブランドとして提供したい」として、既存取引先の顧客の若返りだけでなく、新規開拓に強い期待を寄せる。山本幸正イキツケ共同代表は「専門店の気持ちが理解できるのが我々の強み。創業以来聞いてきた顧客の声と自分たちの意思が掛け合わされたIKITSUKEが広がることが楽しみ」としている。