ワールドは、東京・豊洲のアーバンドックららぽーと豊洲のワールドグループ店舗で、任意団体コオフク(西村佳子代表)と協業し、視覚に障害がある人の買い物の困りごとをとらえて考える「ワールド×コオフク」プロジェクトの買い物実体験を行った。春に1回目を開催し、「複数の課題が見えてきた」として、2回目の今回は「店に行くまでの移動に伴う不安」や「会計時の不安」の課題解決に取り組んだ。
実体験には4日間で、視覚に障害を持つ13人が参加。1回目は「誰もが安心して、ファッションが楽しめる環境を」と題し、「オペークドットクリップ」と「ザショップティーケー」で、店内誘導や接客などを実施。今回、そこで浮き彫りになった課題を解決するために、同じ店舗で新たに複数の企業に取り組みを広げた。
店までの移動の不安には、iPhone専用アプリを通じてオペレーターが視覚情報や位置を伝えるプライムアシスタンスの「アイコサポート」、会計時の不安にはレーザーの光で網膜に直接映像を投影するQDレーザの「レティッサ」を使用してもらい、多面的に買い物をサポートした。
前回の買い物体験に参加し、今回も参加した加藤浩幸さんは「以前使ったものは建物の中でGPSが使えなくなったことがあり、店までの不安があった。今回はオペレーターによる丁寧な誘導案内で安全に来られた」という。また、レティッサではタグ表示やレシートの金額などが大きくはっきり見えて、「レジで金額がはっきり分かり、戸惑わなく安心感があった」と好感触だった。今回も夫婦で買い物を楽しんだ加藤さんは「ワークショップはあるが、体験アンケートを取って終わることが多い。今回のように課題にしっかり対応して、解決していく取り組みは素晴らしい」という。
ショップを運営するワールドグループのスタイルフォース企画管理部業務推進課の小崎将明さんは「前回の視覚障害者の接客ではスタッフも多くの経験をした。改めて普段でも柄や素材などを丁寧に説明する基本が大事と分かった。この経験を全国のグループ店舗と共有している。様々なお客様と向き合う店作り、接客を心掛ける使命に取り組んでいきたい」という。