アパレルOEM・ODM(相手先ブランドによる生産・設計)のワンダーランド(東京、エリック・ビショップ代表)は、自社ブランド「ビショップ&ビショップ」(B&B)で大物アーティストとの協業ラインを定期的に出していく。エリック代表の個人的なつながりから来日するアーティストグッズを作製してきており、そのネットワークなどを生かして毎年発売する。現在はECのみの販売だが、24年12月には東京・渋谷で初の展示会を開催、卸売りも拡大したい考えだ。
国内のハイブランドの生産を受託するほか、来日する海外アーティストのTシャツなどのグッズも多数手掛ける。テイラー・スウィフトやグリーン・デイ、ウィーザーなどはほんの一例だ。
B&Bは18年にTシャツからスタート。22年から音楽とファッションをぜいたくに融合させたハイファッションブランドに刷新した。「高校生の時にアーティストTシャツをよく着ていた。当時あったら良いのにと思っていたのを形にした」とエリックさん。
アーティストとの協業第1弾は、英国のポストパンクの代表バンドで、解散から45周年を迎えたジョイ・ディビジョン。アルバムのジャケットに使われたラフィックデザイナー、ピーター・サヴィルの有名なデザインをTシャツやレザージャケット、革靴、トートバッグなどにモチーフとして配した。
グラフィックが立体的なシリコンプリントのTシャツ税込み2万4000円、デザインを脇に配したモーターサイクルジャケット24万5000円など。ジャケットの裏地はシルク100%だ。
通常ラインのB&Bもそうだが、「アーティストが着用した時にどう映えるかを考えている」という。例えば、〝スターアイテム〟であるレザージャケットのヘムを切りっはなしにしたり、焼いたりした。通気性を考えて大胆に穴を開けるなど機能性も備えた。デザインポリシーについてエリック代表は、「反抗的でいて、エレガンス」と話す。
今後も年に1回は著名アーティストとの協業を続ける予定だ。自身が愛するアーティストと交渉し、形にする。「次のシーズンはもっとアイテムを広げたい」。百貨店やセレクトショップなどへの卸販売も展望している。