《ウィズコロナの抗菌・抗ウイルス素材㊤》薬剤使わず環境負荷少なく

2021/02/11 06:27 更新


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 コロナ禍で生活様式の変化に伴い、求められる素材や機能も変わりつつある。素材メーカーは、パンデミック(世界的大流行)による衛生意識の高まりから、抗菌・抗ウイルス性は今後必須の機能になるとみてアピールを強めている。

(小島稜子)

 この間、従来のように薬剤を使わず、菌・ウイルスへのアプローチの方法で工夫が光る素材が目立つ。帝人フロンティアと村田製作所の共同出資会社ピエクレックスが今春に開発した圧電抗菌繊維「ピエクレックス」は、PLA(ポリ乳酸)繊維に力を加えることで電気エネルギーが発生する性質を利用している。

■ユニークに感染防ぐ

 ピエクレックスは、伸縮するなど力がかかると、数ボルトのプラスとマイナスの電位が生じる。その電位差が電圧であり、距離当たりの電圧で電界が生じる。菌もわずかに帯電しており、繊維の電界に触れると互いに影響し合って菌が変形する。変形が閾値(いきち)を超えると細胞膜は破れ、再生することはない。菌の不活化に必要な電界は1ミクロン当たり1ボルトという。静電気の100~200ボルトに比べ弱く、人間にダメージはない。

 抗菌性は伸縮時に未洗濯で4.31、洗濯50回後で5.98。繊維自体の性質であるため、洗濯しても効果が落ちない。

 抗菌性を持たせるために薬剤が不要であるとともに、植物由来のポリ乳酸を使うことで、自然環境への負荷が少ない。衛生意識の高まりとともに安全・安心へのニーズが高まる消費者に向けて訴求する。

 アパレル用途と紙おむつやマスクなど衛材用途を想定する。靴下や肌着、コンプレッションウェアなど肌に触れるアイテムに抗菌防臭機能を付与できるほか、オフィスカジュアルウェアなど幅広く素材と製品を提供する。

■防臭性も併せ持つ

 東洋紡グループの日本エクスラン工業の抗ウイルス素材「ヴァイアブロック」は、pH(ペーハー=酸性・アルカリ性の程度)値をコントロールするアクリレートでウイルスの増殖を抑える。

 改質により高密度に備えたアニオン性官能基で、ヴァイアブロック表面に付着したウイルスを低pH、つまり酸性にする。酸性になったウイルスは、エンベロープ(脂質膜)やその内側のタンパク質の組織が変性し、活動が抑えられる。エンベロープのあるインフルエンザウイルスと、エンベロープがなくノロウイルスの代替として試験されるネコカリシウイルスの感染価(細胞感染性を持つウイルス粒子の数)を99.999%以上減少させる。抗菌性や防臭性も併せ持つ。

 水に触れることで官能基の分子構造が変わることから、洗濯耐久性に課題があるが、酢やクエン酸をすすぎ時に入れると効果が戻ることが分かっている。また、ドライクリーニングであれば効果が落ちない。

 繊維タイプと微粒子タイプがあり、加工性に優れる。繊維タイプは不織布、糸、生地に加工する。微粒子タイプは、生地、金属、プラスチックなどに塗布して使う。

 雑貨、インテリア用品向けにSEKの抗ウイルス加工マークを取得している。これまで繊維タイプがマフラーと不織布マスクに採用された。

東洋紡「ヴァイアブロック」は繊維状と微粒子状がある

(繊研新聞本紙20年12月17日付)

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