ワコールホールディングスがワコールで希望退職募集へ 米国子会社を清算

2023/11/09 17:20 更新


 ワコールホールディングスは11月9日、ワコールの事業構造改革、米国のインティメイツ・オンライン(IO)の清算、役員報酬の減額などを発表した。これに伴い、23年9月中間期と24年3月期の業績を大幅に下方修正。24年3月期の売上収益は前回予想から90億円減の1960億円、営業損益は180億円悪化し、120億円の損失となる見込みだ。

 収益回復が遅れているワコールは、不採算ブランドの撤退・統合に着手。九つの基幹ブランドを構成する68の商品ラインの38%に当たる26の商品ラインを統廃合するなど、24年から「ワコール」ブランドのリブランディングを進める。また、低収益店舗のうち、直営店は全154店の14%となる22店、百貨店店舗は全211店の5%に当たる10店舗を対象に順次、撤退・閉店する。さらに24年2月12日から2月22日の予定で、約150人の希望退職を募集(退職予定日は4月30日)する。希望退職や在庫処分など一連の施策により、24年3月期に60億円の構造改善費用を計上する。

 19年7月に買収した米国のIOは、ECを主販路に、ソーシャルメディアを中心としたデジタルメディア戦略で成長を期待していた。ただ、個人情報の利用制限や競合激化で、21年3月期以降、純損益段階の赤字が14億円、17億円、16億円と続く。今後も回復は困難と判断し、撤退を決めたものだ。米国の法制に従い、清算は25年3月末を見込む。IOの撤退に伴い、24年3月期にのれんの減損損失や在庫評価損などで、現時点73億円の損失を計上する予定だ。

 一方、業績低迷、経営責任の明確化のため、ワコールホールディングスの取締役(社外取締役除く)、ワコールの取締役(23年3月期時点の取締役)は、それぞれ基本報酬額の20%を減額する。期間は23年12月~24年3月。

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