SCで働くショップスタッフの接客ロールプレイングコンテストの審査をしていて、採点で悩むことが多い。
多くの施設は館内大会の上位入賞者を日本ショッピングセンター協会(SC協会)の支部大会に送り出すため、審査項目と評価ポイントは声掛けや表情、言葉遣い、ニーズの聞き出し、商品提案力などSC協会の基準に沿っている。上位入賞者はその基準通りに採点しやすい。一方で個性にあふれ、魅力を感じるが、基準通りに採点しにくいスタッフも多く、審査に悩む。
あるSCの大会で、笑顔があまり見られず、言葉遣いも丁寧とはいえず、相づちを打つタイミングなどもうまくないのだが、「この人から接客を受けたい」と思ったスニーカー店の女性スタッフがいた。商品やブランドに対する知識が深く、ぶっきらぼうながらも、「これはやめた方がいい」とデメリットもしっかり説明する。何よりも、言葉で表現できない独特の雰囲気があった。このスタッフの点数は低くなってしまったが、「審査員特別賞」に選んだ。個性をもっと評価するロープレの審査基準を考えるべきではと思う。
(有)