《視点》凝り固まった体と頭

2025/08/27 06:23 更新NEW!


 十数年ぶりにラジオ体操をした。体が思うように曲がらなかったり、伸びなかったりで、学生のころの感覚との大きすぎるずれに驚いた。40代になってますます体が凝り固まってきた。おそらく頭(思考)もそうなってきただろう。

 取材でいろんな会社を見てきた。組織も多くの場合、年月を重ねると思考が凝り固まって、不具合が生じるものだと感じる。だからこそ、組織改革や人事異動、採用、ときには新規事業化のプロジェクトやオープンイノベーションで組織の活性化を狙うこともある。

 ただし、手を打つにしても、その前に日頃から組織内に目を向け、不具合を感じ取れるように備えておくことが大切だ。不具合にそもそも気づかない、あるいは不具合の正体がわからないままだと、適切な手を打てずに組織が凝り固まり、思うように機能しなくなるだろう。あるメーカーの社長は、「時々や、調子が悪くなってから生産現場を見ても問題は見えにくい。日頃から見ているから、ささいなことでも気づくことがある」という。

 急に無理な運動をすると体を痛めてしまうこともある。ゆっくり、でも日頃から入念にほぐしておくことで柔軟な体と頭を取り戻せるはずだ。

(嗣)



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